熊本県 南阿蘇・大津町を診療圏とする眼科医です。緑内障、斜視、弱視等。

       
南阿蘇原眼科

子供の斜視・弱視

私たちは、目の中(網膜)に像が映っただけでは物を見ることはできません。その像が視神経を通って脳に伝えられてはじめて見えるのです。この道筋を視覚伝 導路と呼びます。視力が発達する大切な時期に、何らかの原因のためにこの伝導路が刺激を受けないと、視力の発達が止まり、弱視になるのです。

斜視は弱視の原因に

弱視の原因の一つに斜視があります。斜視になっている目は、物を中心で固視できないために視力が発達せず、弱視になります。斜視には片方の目が内側に向く内斜視、外側に向く外斜視と上方に向く上斜視とに分けられます。内斜視は目が内に寄っているので、生まれてすぐ気づくことが多いのですが、外斜視は比較的気づかれにくいようです。

斜視の治療は、両眼視の完成前が望ましい

斜視の原因はいろいろあって、眼球を動かす筋肉の神経の異常・遠視先天白内障などの目の病気があれば、両眼視ができず斜視になります。両眼視とは、両目を使って物を一つに見る動きのことで、二歳前後には完成されます。したがって治療はこれが完成する前にするのが望ましいわけです。

斜視が疑われたら、できるだけ早く診察を

遠視の子供には内斜視が起こることがあります。この場合にはほとんどの例がメガネをかけるだけで治ります。しかし、それ以外の斜視は手術が必要となります。手術は眼球についている眼筋を操作して、目がまっすぐ向くように調整します。しかし、片眼が弱視のままであったり、両眼視機構が悪いままで手術を行うと、再び斜視に戻ることが多いのです。従って、斜視の治療には視力を増強する弱視訓練や、両眼視機能を獲得させるための訓練を行う視能訓練士の役割が非常に大切です。

このように斜視の原因はいろいろあり、治療方針もそれぞれ異なります。もし、斜視が疑われたら、できるだけ早く眼科専門医の診察を受け、適切な処置を受けさせてください。

原眼科 院長 原敬三

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