熊本県 南阿蘇・大津町を診療圏とする眼科医です。緑内障、斜視、弱視等。

       
南阿蘇原眼科

目とカラダ

眼球は胎生第2週(2ミリ胎児)の頃、脳の一部として形成され始めます。生下時にはほぼ完成された状態となりますが、眼内のレンズ(水晶体)などは、出生後も成長が続きます。成人の眼球でも直径は平均24ミリでピンポン玉くらいの大きさしかありません。からだ全体に比べると非常に小さい器官ですが、知れば知るほどその精巧さに驚かされます。

情報の80%は目から

人間が活動していくためには、外からの情報を取り入れなければなりません。我々は情報の80%を目から得ていると言われています。目から入った情報は視神経を通って脳に伝えられ、脳で情報に対する処理が行われ、脳からの命令で活動するわけです。

目は病気の縮図

さらに目には数多くの病気の症状が現れます。「目は病気の縮図」といった言葉もあるように、脳腫瘍などの神経系疾患、高血圧などの循環器疾患、糖尿病などの代謝性疾患や腎疾患などいろいろな病気のとき、目にはそれぞれ特有な症状が現れることがあります。したがって、現れた目の症状から、原因となる全身的疾患と、その障害程度が判明することも稀ではありません。

目はからだの病気だけではなく、精神状態もよく表します。「目は口ほどにものをいい」と言いますが、口では心にないことを言っても、目はそれが出来ず、口以上に感情を正直に表しているといって良いでしょう。そのことから「目は心の窓」とも言われ、精神病の人のうつろな目などは、人間の心を如実に示しています。

異常を感じたら早めに診察を

目はこのように、小さい感覚器でありながら、からだの異常や感情の表れる場所として、非常に重要な器官でもあります。近年、臓器移植が盛んになってきましたが、悪くなったからといって眼球をそっくり取り替えることは出来ません。異常を感じたら早く治療を受けて、一生不自由のない生活を送りたいものです。

原眼科 院長 原敬三

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