コンピューターと眼障害
情報化社会の今、コンピューターの端末機(VDT)や、ワープロなどのモニターブラウン管に向かって長時間作業する人達に、いろいろな身体の異常を訴える人が増えています。こうしたVDT作業による健康トラブルを総称してVDT症候群といいます。
VDT症候群の症状
ブラウン管自体からは、電磁波、X線、マイクロ波、紫外線などが発生します。ブラウン管の画面からは、画面の反射、文字や絵の輝き、画面のちららつ きなどがあって、長期間作業を続けると眼や精神神経系に影響すると言われています。また、キーボードを打ち続けることにより、筋肉の疲労が出てきます。
- 眼症状…眼の疲れや痛み、かすみ、まぶたの痙攣、まばたきの増加などがあります。
- 精神神経系の異常…不安感、イライラなどの精神疲労症状や、めまい、吐き気、食欲不振などの自律神経障害症状が出ることもあります。
- 頚肩腕症…首、肩、手、腰などに痛みやしびれを訴える人があります。
- 女性では生理不順、流産を中心とする症状も話題になっています。
VDT症候群を予防するには
これらを予防するためには、長時間連続して作業を行うことを避けることです。一時間やったら10分休息するとか、定期的に休息を取り、休息中にはなるべく遠くを見たり、軽い体操なども良いでしょう。また、照明、採光、機械配置などの作業環境も考慮しなければなりません。VDT作業者で視力低下や眼精疲労などの症状があったら、早めに専門医を受診するようにおすすめします。テレビゲームもVDTのなかに含まれます。子供はまばたきもせず、ちらつく画面に夢中になっています。目に良いはずがありません。コンピューターに慣れて欲しいが、視力低下しては困ります。疲れない程度にやるように注意して指導して下さい。
原眼科 院長 原敬三